210903⑩「地球が特別である理由:生命誕生後にその進化が起こった」
前回まで、地球環境が現在のように安定してという事を話した。今日からは、地球外生命を探るという意味で、此の宇宙に存在する生命と言うのは、どのような生命が多いのかという問題を考えてみる。
その為に我々は、地球上の生命しか知らないので、地球上の生命がどのように生まれてどのように進化したかという事を、考えねばならない。
「生命の歴史」 アルカリ熱水噴出孔で生まれた生物→酸素発生型光合成生物→真核生物→
多細胞生物→現在
地球生命の基と言うのは、分類上知られていて、共通祖先があるという認識である。共通祖先と言うのが、アルカリ熱水噴出孔と言う場所で誕生した。最初に生まれた生命と言うのは、地球のエネルギ-を食べる生物で、現在残っていない。
現生の生物の中で、それに一番近いものと言うと、太陽のエネルギ-を食べる生物に進化している。光合成生物である。
光合成生物でも、酸素を発生するものが、次の段階で現われる。シアノバクテリアである。
酸素発生型光合成生物が生まれて、更に真核生物・多細胞生物と進化し、そして今の様な多彩な
生物圏が形成されるのである。これが地球上の進化である。
これを考える為に、地球の歴史を見てみよう。
「地球の歴史」
地球環境の安定性は、地球上に大陸が生まれて、その結果として、炭素の循環が起こったことが
重要である。
この事はこれまでに話した。
更に地球と金星の運命を分けたのは、大陸が生まれたかどうかという事である。
少し専門的に言うと、地球環境の安定性と言うのは、太陽からのエネルギ-を受けて、その熱を宇宙空間に放出する、そのバランスで決まっている。これをエネルギ-バランス機構モデルという。このバランスで地球は海=水を持ち、金星には海はない。
この事は、惑星からの熱放射と、全球凍結の間のバランスなのである。
生命が存在し得るかどうかで大切なのは、液体の水が地表近くに存在すること。=海が存在すること。
生命が存在し得るゾーンを、ハビタブルゾ-ンという。
地球は海を持った状態から、一時的に全球凍結に入る。しかし元に戻った。生命は海底で生き延びていたのだ。
ここから地球の歴史の話をする。物理的な観点で見ると、簡単である。地球と言うシステムが、どのように変化してきたかを辿ればいいので。
●エネルギ-の流れは、冷却の過程である。
●物質の変化としては、分化して様々な物質圏が出来た。物質圏が構成要素となって地球システム
を作っている。
個々の物質圏の間で、対流によって熱移送が行われる。対流によって、各物質圏の間の関係性が
発生する。
(地質学的地球の歴史)
・冥王代 地球誕生(46億年前)~40億年前
大陸と海が出来て、原始生命の誕生
地球の歴史では痕跡が残っていない。隕石との衝突もあった
・太古代 40億年前~25億年前 地球の基本的体質を決めた時代である。
原核生物から真核細胞生物の誕生
衝突が終わって、冷却の時代 プレ-トが発生し大陸も出来た
金星にはこの時代が無かった。大陸に大気中の炭酸ガスが吸収される。そして炭素の循環が
始まる。 これが地球環境の安定につながる。
地球のコアの対流活動で、磁場が発生し、磁気圏が形成される。生命が保護される。
・原生代 25億年前~5億年前
シアノバクテリアの活動で酸素発生 多細胞生物の誕生
・顕生代 肉眼で見える生物が生息している時代 5億年前~現代
「コメント」
地球46億年の歴史の中で、我々が化石や何かで見たり聞いたりするのは、この顕生代で
約5億年くらいか。さて、本題へなかなか入らない。気を持たせるものだ。