2100226⑦「感染症と耐性菌」
「耐性菌」
抗生物質を使い続けていると、細菌の薬に対する抵抗力が高くなり、効かなくなることがある。このように、薬への耐性を持った細菌の事を薬剤耐性菌という。最近現れた例として、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌がある。この細菌は抗生物質で克服されたと思われていたが、耐性菌が現れた。これを克服するために新しい抗生物質が開発され、その耐性菌が
現れるといういたちごっこが続く。
この格言 You use it You lose it →使い続ければ、それを失ってしまう
・ペニシリンの開発
1940年フレミングによりペニシリンが開発され、感染症は激減した。フレミングは耐性菌の出現を
警告していた。
・耐性菌の状況
大腸菌 インドでは90%、日本では20%が耐性菌化している。まだ日本は抗生物質使用を抑えている
ほうである。
耐性菌が増え続けることに依って、感染症対策が追い付かず、2050年には世界で1千万人が
死亡するといわれる。
・新しい抗生物質の開発 困難さを増している。
絶え間ない開発が求められるが、現実には進まない。開発されても乱用ですぐ耐性菌が現出し、
薬メ-カ-は開発費を回収できない。
・対策 耐性菌を生まない医療が必須
抗生物質使用を抑制する。2013年基準で2/3とするアクションプランが実施されている。
過剰医療の減少、不要な抗生物質使用をやめる(医師の側の責任)
例えばウィルス性の風邪、インフルエンザに抗生物質は効かないのに、処方される抗生物質
抗生物質の容易な販売(店頭・通販)
医師の勉強不足が指摘され、患者も安易に抗生物質を勝手に服用しないことが求められる。
「コメント」
昔から、すぐ薬を多く処方したり、注射をするのは藪医者と言われていた。これには無知な
患者も加担している。