200320⑪「恐るべき寄生性昆虫」
昆虫の中には他の生物を拠り所として、その資源を奪いながら生きる寄生という手段で生きるものがいる。
・他の生物の体内に入り込むもの
・体表にしがみつくもの
・他の生物の巣の中に入り込んで、餌を横取りするもの
・毛をかじり取るもの
「寄生と共生」
生物が、栄養の大部分や暮らしの場所を他の生物体(宿主)に一方的に依存して生活する事を寄生という。それに対し双方が利益を得て得をする関係を共生という。
実の所、寄生と共生の境は曖昧で、人間の場合とは違って、相手の事を思いやって行っている訳ではない。自分勝手にやったことが、結果的にどうなっているかということ。アリとアブラムシは共生の例として出されるが、アブラムシは不要なものを糞として排出し、アリはそれを栄養分として舐めているだけ。利害がどちらかに傾くと、共生→寄生となる。
「寄生生物と宿主」
寄生生物は原則、宿主の健康が生命線なので生命を脅かすことはない。人体に入った回虫やサナダムシの例も。本来、寄生生物は寄生する宿主を厳密に決めており、その生物に合致するように進化してきた。宿主特異性という。例えば、人体に害を及ぼすアニサキス幼虫(魚類の生食で起きる
寄生虫病)、エキノフォックス(狐の糞からの寄生虫病)は、本来の宿主ではない人体に入って害をなしている例。本来でない宿主に入ると、居所を探して暴れて害をなす。
「昆虫の寄生」
昆虫の世界での寄生生物は、幼虫期に宿主に寄生し、成虫になると宿主を餌として食い殺し離れていくのが多い。
・寄生バチ コバチ 宿主は昆虫のみで人間には害はない
動物に寄生する寄生バチは、いわゆる狩りバチとやり方は似ているが、相違点は狩りバチではメス
が獲物を麻酔し自分の巣に確保する。その点寄生バチは獲物(宿主)を麻酔せず、幼虫は宿主を
食べて成長する。成虫になると、宿主を殺してしまう。捕食寄生者である。
・寄生ハエ ハエの幼虫が脊椎動物の体内に侵入する
「コメント」
寄生するハチ、ハエの詳細な名もあったが省略。知らない、見えない世界で昆虫たちの食うか食われるかの、生存競争があるのだ。