200306⑨「家の周りで虫探し」
今日は身近にみられる虫について話す。人の近くで見られる虫の多くは、人や物資の移動に伴って海外から侵入したものが多い。
「ミノムシ」 ミノガ科のガの幼虫 蓑虫 枕草子に登場
虫と思い込んでいる人が多いが、ミノガという蛾の幼虫である。数十種いるが代表的なのが、オオミノガの幼虫である。
袋の中でサナギになり、初夏に羽化して成虫となり、産卵して死ぬ。孵化した幼虫はすぐ蓑を作る
モンシロチョウ→アブラナ科の葉、アゲハチョウ→柑橘類といった食草はなく、何の葉でも餌とする。広域に生息しそうであるが、人里近くに限られる。弥生時代頃に、人の移動により海外から侵入した外来種である。
・天敵 寄生バエ
蓑虫は最近減少してきている。中国から来た寄生バエが天敵。オオミノガの餌となる葉に産卵して、卵で体内に侵入し孵化する。中で蓑虫を食い殺す。蓑は丈夫あるが、体内からの天敵にやられるのである。
「カイガラムシ」 貝殻虫 カメムシの仲間 外来種
樹木に寄生し、体をワックスで固め、樹液を吸う。また排泄物も有害で、樹木に被害を与える。外来種で困るのは、日本に天敵がいないことである。農薬にも強い。よって天敵を輸入して対処している。
「シミ」 シミ科の原始的な昆虫。紙類や衣類などの糊気のあるものを食害。衣魚・紙魚・・・
ヤマトシミ・セイヨウシミ・・
銀色で魚の形。古い家屋や物置・床下などにいる。
「ゴミアシナガサシガメ」 サシガメ科 アメンボに似ている。 絶滅危惧種 2cm
カメムシの仲間
ゆっくりと動き回り、前足で獲物を捕らえ体液を吸う。古民家などで見られたが、最近は見ることは少ない。「日本原色カメムシ図鑑」にも、写真はない。講師は実物を見て写真を撮った。その場所は絶対に言えないとか。
「ヤマトオサムシダマシ」甲虫目 ゴミムシダマシ科 2cm 黒色の甲虫 絶滅危惧種
古い古民家とか物置にいた。元々砂漠にいたので乾燥を好む。環境の変化で個数が激減。草食性。
虫マニアは変な人が多く、自分が見たことは喋らず、人の話を聞きたがるとか。
「コメント」
そういえば、ミノムシを見かけなくなった。イメ-ジは古い和風の家の周りにいる。天敵がいたのか。ヤマトオサムシダマシも見たことがあるな。カイガラムシも樹木園でよく見るが、皆困っている。
虫マニアとは会ったことはないが、いかにも変わった人種と想像するが、その熱意とエネルギ-には驚嘆する。