1700804⑤「雲とエ-ロゾルの役割」
「あらすじ」
雲は地球の気候にどのような役割を果たしているのか。雲は太陽エネルギ-を宇宙空間に反射する冷却効果と、地球から宇宙空間に逃げて行く熱エネルギ-を妨げる温室効果という、相反する二つの効用を持っている。又空気中に浮かぶ粒子状の物質「エアロゾル」も太陽光や赤外線を反射・
散乱・吸収して、地球のエネルギ-収支に大きな影響を及ぼしている。雲やエアロゾルの種類や量は、地球の気候変化と密接に関係している。
「雲とは・雲の種類」
空気中の水分が凝結して微細な水滴又は氷晶の群となり、高く空に浮いているもの。「広辞苑」
雲は高さによって三つに分類される。
・上層雲 5kmより上
巻雲・巻積雲・積乱雲・巻層雲
・中層雲 2~7km
高積雲・高層雲・乱層雲
・下層雲 2km~地表
積雲・層積雲・層雲
この中で積雲・積乱雲は上層から下層にまで達することがある。
「雲を作る種 エアロゾル」
・鉱物ダスト 砂漠からの砂粒・黄砂
・海塩 波の飛沫
・硫酸塩 火山噴出物・火山灰
・有機塩 植物のかけら(野焼き、山火事・・・)
・黒色炭素 化石燃料を燃やした時に発生
「雲の出来る仕組み」
・雲は水蒸気を含む空気が上昇し冷やされることで出来る。
・飽和水蒸気量を越えること 過飽和状態が条件
一定量の空気中に存在できる水蒸気量には限界がある。その最大の水蒸気量を飽和水蒸気量と
いう。 30℃→30.3g/m3 10℃→9.4g/1m3 温度が下がると飽和水蒸気量は減少する。
・雲が出来るには、種になるいわゆる上記の「エアロゾル」が必要である。
この種に過飽和になった水蒸気が付着し雲になる。
「雲の地球の気候に与える働き」
・太陽エネルギ-の一部を宇宙空間に反射する。→冷却効果
・地表から宇宙空間に逃げて行く赤外線を吸収する。後に放出して地表面を温める。→保温効果
雲のあるなしで地表面の温度が違うのは、日常経験することである。晴天の冬は冷える。
いわゆる放射冷却。
「エアロゾルの地球温暖化に与える影響」
巨大噴火の噴煙が地表温度を下げた例のように、エアロゾルの増加は地球冷却化に繋がる。
しかし、現在増加している化石燃料使用により発生するエアロゾルの冷却効果は、同時に排出される炭酸ガスの温室効果に遥かに及ばない。
「コメント」
雲は地球の布団、そして日傘なのだ。何だかいじらしい程、ひ弱い感じ。そして少しずつ厚い布団になってきている。