210323⑫最終会「悪党が整備したディスクロジャ- アメリカその3」
アメリカは会計の先進国である。19世紀は移民の国であったが、それが工業中心の国となり、それに伴い会計も発達した。
・19世紀 鉄道の発達
長期、多額の投資を必要とする鉄道建設のために、会計に原価計算の仕組みが考案され、それが
20世紀になって自動車産業という形で完成していく。高品質・安価・大量生産
・第一次、第二次大戦を通じて自国が戦場とはならず、戦時物資生産で利益をあげた。
・しかし戦争時、平和時、恐慌など需給の変動が激しく、これへの対応が求められた。これへの対応
できた会社や投資家が成功する。
「ジョ- ケネディ」 大統領の父 いわば株の世界の悪党である。
こう言う状況を、代表するのがジョ- ケネディである。大統領ジョン ケネディの父である。
アイルランド、カトリック。
ハ-バ-ド大卒 銀行管理の仕事で企業経営分析を行う。
・インサイダ-取引で大利益
・証券会社の転職し、更に大利益 ハリウッドの会社を乗っ取り、大儲け。その時の言葉
「ハリウッドにはバランスシ-トを読める奴は一人もいない。だから魅力だ。映画馬鹿ばかり。」
・大恐慌時には、空売りで更に大儲け。大統領選挙でルーズベルトに肩入れし、大統領当選の
功労者となる。そして、初代SEC(証券等監視委員会)長官となる。無法者の巣である証券業界の
改革を行う。その時の言葉
「悪い奴を捕まえるには、悪い奴がやるのが一番だ」
・会計、決算書は株主、投資家、債権者にのみ公表していたが、一般に開示するようにした。
ディスクロジャ-である。
・証券取引法の策定 明文化したのである。
「この講座のまとめ」
・イタリアで産声をあげた会計システムがオランダ・イギリス・アメリカと発達していく。
・そもそも企業は自己資金で行い、会計も自分の為に行うものであった。それが他人の金も使うようになり投資家の誕生となる。その人々の為に決算書が作られたのである。
・そしてアメリカに到り、一般社会に公開するようになる。これが財務会計の歴史である。自分のための会計が人の為の会計となったのである。
・21世紀になって、会計の概念はその国だけではなく、グロ-バルになっていく。金融の流れの国際化である。
・もう一つの大きな流れがある。19世紀に鉄道建設に伴って出来た原価計算が管理会計として発展してきたことである。
・マッキンゼ-教授のシカゴ大学での管理会計講座の開設が、その大きなきっかけとなった。
この会計講座は、過去を見るのではなく将来を見るためのものであった。これは将来の設備投資を入れ込んだ将来予測である。いわゆるシミュレ-ション計算の考案である。
・会計の歴史は財務会計から始まって、20世紀のアメリカで管理会計へと進展した。
「コメント」
簡単に言うと、実態の経済に従って会計も発達してきたと言える。私も図らずも全く素人の経理担当をやることになって、大慌てで会計経理の基本を勉強して、物凄い緊張感をもって株主総会に備えたことを思い出す。
この時、会計の解らない人は管理者経営者とはなれないことは痛感した。しかし今でもよくわからない。