210302⑨「鉄道会社から生まれた利益計算と監査 イギリスその2」
「ルーブル美術館の誕生 美術品は公共財の思想の誕生」
フランス革命後の混乱を収拾したナポレオンは、ヨーロッパ各国と戦争。近代軍事編成によって勝利していく。
各国の美術品特にイタリアの絵画を持ち帰り、ルーブル美術館を創設。従来個人の所有であった美術品を公共財として扱い、公開した。これが美術館の考え方の原点となる。
「イギリスに投資家の誕生」
産業革命の進展で、イギリスに資産家が多数誕生し、事業家ではなく資産運用をする投資家が誕生。そしてその頂点が1830年頃の鉄道建設ブームであろう。イギリスに鉄道投資ブームが発生。(初はリバプ-ル-マンチェスタ-)
「鉄道建設は一大技術革新であった」
・物資人員の大量、迅速な輸送が可能となる。→産業革命の一層の進展
・グリニッチ標準時の設定
今まで地域毎の時刻設定であったが、鉄道運用の都合でイギリス共通の標準時刻が設定された。
・通信・信号
「株式会社と会計の減価償却概念の導入」
鉄道は初期投資が莫大で、広く株主を募る必要がある。しかし初期には利益が出ず、配当が期待できない。この為株主募集が成功しなかった。このため初期から利益が出るように会計を改める必要があった。
この為に長期に費用を計上する減価償却の考え方が誕生した。
このため、別の問題も発生。→勘定合って銭足りず、黒字倒産、会計上黒字であるが、現金なし。
これを補うためにキャッシュ・フローの管理、計算の公正さを監察する監査制度が出来る。
「会計の発生主義化」
従来の現金の収支を捕らえる会計から離れて、利益を計算する方法。
「コメント」
考え方が先に在って、現実がそれに従うのではなく、目下の問題解決の為に知恵を絞ってシステムを作るのだ。そして解釈が難しくなり、専門家が必要になる。