190730⑤ナポレオン誕生250年『多様な革命主体と状況の力学』」
1789年7月~8月に各地で、農民一揆多発。パニック状態となる。
この動きを、四つのポイントで述べる。
●王政の軍隊出動を避けるために、憲法制定会議のリベラルな人たちは、封建的特権の廃止を
決議、一つは領主権の廃止である。これで農村部の動きは鎮静化し、都市部の活動となる。
●8月 17条の「人権宣言」がなされる。 市民の諸権利の宣言である。
「人は自由で、権利において平等」 啓蒙思想に基づく個人の自由である。
法的自由・国民主権・所有権の確認(これまで身分によって違っていた)
これが1891年の憲法制定に繋がっていく。近代法治国家の原則となり、国連憲章の精神でも
ある。
●ルイ16世の優柔不断→何ら対応しなかった。優柔不断は諸悪の根源
これに圧力をかけるためにパリ民衆が行動を起こす。まずは食糧危機に対し、女性が先頭に立って
ベルサイユへ行進。
1789年 ベルサイユ行進 食料寄こせのデモ→ルイ16世は、備蓄の小麦を放出
サンキュロット運動 民衆は、王にベルサイユからチェルリ-宮殿への転居を要求
キュロットとは、貴族・ブルジョアが着用するキュロット(半ズボン)を持たず、仕事着の長ズボンを
はいたので、民衆の大衆行動をこういう。
●憲法制定の動き
10月以降、ルイ16世も要求を認め、制定の動きとなる。
・行政単位の変更 州→県
・教会資産の国有化 カトリック教会は大地主であった。→カトリック権威の否定
・反革命の動き 革命に対抗する王・貴族・教会 →亡命貴族の出現(エミグレ)
これは転じて亡命者を意味するようになる。
・アンシャンレジ-ム フランス革命前の絶対君主制とその封建的社会体制をいう。転じて、
前社会体制。
・対外戦争の勃発
食糧危機、革命、反革命、対外戦争と、利害錯綜する複雑な動きとなる。
「コメント」
全ての近代化、民主化のスタ-ト。これからの紆余曲折が興味深い。どうやって、ナポレオンに
繋がるのか。