歴史再発見「黄金」から見直す日本史 加藤 廣
①金発見前史と渡来人~倭国時代 13年4月2日(火) 20時30分~
「内容」
黄金から歴史を通観すると面白く生き生きと見える。古くは漢倭奴国王の金印、天平時代、大仏を彩る金が陸奥国で発見され、それを寿いで改元。天平→天平感宝(749年)。空海は遣唐使の時、砂金で仏教書・採鉱冶金の本を買い漁り、帰国後金鉱を探し歩いた。黄金の国「ジパング」をめぐって世界の目が集まっていた時代、などを取り上げて歴史に登場する「金」とそれを巡る人々を動きを講義する。
「講師」
東大法学部卒、山一証券勤務の後作家。「信長の棺」で小説家デビュ-、小泉首相の愛読書として話題。後「秀吉の枷」
「明智左馬助の恋」の三部作でベストセラー。2012年「黄金の日本史」
① 日本史の位置づけ
・日本史というのは評判が悪い、東大京大の受験で世界史で受ける人はいても日本史は少ない。何故か
日本史はよくわからない・嘘が多すぎる・面白くない これは菊のカ-テン(天皇家)があって中が見えないから。
これに反して中国・ヨ-ロッパの歴史は分かり易い。これは特に中国では政権交代時に前政権の棚卸を墓を暴いてまでえげつなく行なう。日本では死者に鞭打たない。こういうことで日本史は分り難く嫌われてきた。また戦争前と後では考え方がブッツリ切れて、その間に脈絡がなくなった。そのため若い人は歴史に触りたくない風潮の国となってしまった。
② 何故金なのか
① のことで日本史は嫌われ分り難くなったので、「金の覗き窓」を作り歴史を眺めてみたい。
③ 金の発見
日本では天平感宝元年(749年)、陸奥国 涌谷で発見され大仏のメッキに使われた。参照 良弁 石山寺
中国・エジプトではBC2500年頃使っていた。この差は5千年弱。この差をどう考えるか。これは人類の起源→
その広がりによるもので優劣ではない。人類はアフリカで誕生し、北→西が白人、北→東 黄色人種、そのまま居たのが黒人。日本へは相当遅れてきのがその差であって、卑下することではない。
④ 日本の歴史の間違い
中国の先進文明に追いつく為に、国史「古事記、日本書紀」を作るときに見栄を張って、実際より700年ほど引き伸ばしている。この為実在しない天皇を記載(欠史 八代)したり、150歳の天皇としたりした。これが日本史のいい加減さとされた。特に戦後の教育。
⑤ 中国からの日本観
中国の史書では古代日本は「儒教の思想もない国でどうしようもない野蛮な国」という。日本人は小さくて(倭)、背が丸くてどうしようもない奴ら。100以上に国に分かれて争闘している。→これは人類の広がりの時間差で仕方ないこと。
⑥ 歴史教科書
日本の歴史教科書は面白くない。中味の人間の描き方が生き生きとしていない。息遣いが伝わってこない。例えば
最澄と空海。この二人の様々な葛藤が全く触れられていない。最澄→ 東大法学部のエリ-ト、空海→ 私大の中退者で訳の分からない奴。ただ空海は語学の天才で世渡り上手。つまらない教科書ばかり。
⑦ 日本史のあり方
・自分の国の歴史を大事に、尊敬しない国は滅びるし、歴史を知らない人は日本人と言えない。
・歴史の教科書を書く人は人を惹きつけるような物にして欲しい。
・日本史を必須科目にすべし。
・国際的視野に立った歴史を教えるべき。
感想
かなり感情的で、気持ちは分かるけど説得力は弱い。ただ自分の国の歴史を知らないことを慨嘆することには同感。
具体的になる次回以降が楽しみ。