200221⑦「クモ、この知的な虫」
「虫」
人類、獣、鳥、魚以外の小動物の総称。狭く、昆虫を指す場合もある。
「昆虫」
節足動物。体は頭・胸・腹の三部に分かれ、頭部に一対の触覚・複眼と口・胸部に二対の翅と三対の脚がある。人間は生き物になんでも虫という名前を付けて来た。
サナダムシ、回虫、ギョウチュウ、ミドリムシ・・・昆虫とは何の関係もないのに。クモが虫と言われるのは当然であろう。クモは節足動物に分類され、更に次の四つに分けられる。
「節足動物」
多くの体節からなる。各節に一対の付属肢をもつ。昆虫・ムカデ・クモ・・・・。その種類は全動物の80%を占める。
そして次の四つに分類されている。
(六脚亜門)
(甲殻亜門) エビ・カニ
(多足亜門) ムカデ・・・
(挟角亜門) クモ・ダニ 挟(はさみ)状の角(牙)を持つ
「クモとは」 講師は生態と形態が複雑に多角化している挟角亜門のクモが好きである。
クモ目の節足動物 腹部にある糸疣(いぼ)から糸を出す。網を張るもの張らないものがある。卵は
一塊で生み、空中に放つ。
・クモは昆虫ではない。昆虫は頭・胸・腹という三つの部分からなる。クモは頭と腹だけ。
・古生代には2mを越える大型の節足動物もいた。しかし更に強大な動物に駆逐されて、現状では
小さな目立たない存在となっている。繁栄しているのは、クモとダニである。
・虫にとっては、クモは強力な敵である。クモは糸と毒液を使って狩りをしている。
・昆虫にも糸を出すものもいるが、糸の多様さ、複雑さは到底クモには及ばない。
糸はまず液状で出され、空気中で固体となる。一本ではなく複数が束になっている。強さは鉄、
ナイロンに匹敵する。
「オオヒメグモ」
人家で普通に見られるクモで、不規則に網を張り、地表や壁を歩く昆虫などを捕獲する。不規則網と言われ、見苦しいので掃除の対象となる。地表に向けて張られた粘着性のある一本の縦糸で狩りをする。時にはカマキリ・ナナフシ・トカゲなども。
「ユカタヤマシログモ」 ヤマシログモ科 人家に住む 名前の由来は、体の模様が浴衣に
似ているから
巣を作らないで、室内や床下、家具の裏などに生息。クモの仲間で唯一、口から粘着性の糸を吐く。獲物(ハエ・蚊)にこれを吹き付け、動けなくして、体液を吸う。英名 spitting spider(唾吐きクモ)
「ジグモ(地クモ)」 ジグモ科ジグモ属 20mm よく見られる。
地下に穴を掘って、袋状の巣を作る。壁際、木の根元に深さ10cmの穴を作り、地上部にも出る。それを補虫網として、甲虫・ダンゴムシ・ワラジムシなどを捕らえる。
「ハエトリグモ」 ハエトリグモ科 二個の大きな目が特徴。捕獲用の網を張らず、歩き回りながら獲物を取る。人家近くでよく見る。獲物にジャンプして捕獲する。英名 ジャンピングスパイダ-。獲物の
振動を感知して飛びつく。
昔からハエトリグモ同士を戦わせる昆虫相撲が、現在も行われている。「ぼんち」ともいう。また江戸時代、「座敷鷹」と呼んで、ハエを餌にして捕らえさせる大人の遊びがあった。
「ドウシグモ」 ホウシグモ科 3mm 神社などにいる。レッドリスト。黒い体に白い斑紋。樹上性で、アリのみを捕食する。アリは攻撃性で、蟻酸を持つので普通クモは捕食しないが、毒を注入して動けなくしてから捕食。
「コガネグモ」 コガネグモ科 最も知られている。メスクモ 20mm オスは5mm 腹部に黄色と黒の
模様
造網性のクモで円形の網。獲物を捕らえると、糸で動けなくする。ジョロウグモと混同される。昔は、子供がこの網を使って補注網を作ってセミなどを取った。クモ合戦にも使われた。残念なことに、殺クモ剤の容器の看板に使われている。
「コメント」
そういえば、今日出て来たクモの幾つかは日常よく、家の近くで見ることがある。今後は注意して見てみよう。そして、孫に自慢して教えることにする。