科学と人間①「地球と生命の46億年史」       丸山 茂徳(東京工業大学 地球生命研究所特命教授)

160513⑥カンブリア紀の生命の爆発的進化

6億年前ごろから、地球表層の海水はプレート沈み込み帯からマントル深部へ取り込まれ始めました。その結果、海水準が短期間に約600mも低下し、巨大な陸地が出現しました。これによって、大量の栄養塩が陸地から海洋に供給され、大陸棚は生物の楽園に変わりました。また植物の光合成の結果、オゾン層の形成によって、生物は陸上でも爆発的に

進化するようになりました。いよいよ生物の黄金時代が始まります。

 

「初めに」

カンブリア紀は地球上に初めて現在の大陸に匹敵する巨大な陸地が出現した時代である。何故陸地が出来たのか。その原因の話をする。答えは「水漏れ地球」である。地球は、地球の冷却に伴い、フレ-トテクトニクス理論に基づくプレ-トの沈み込みと共に、プレ-トの表面に水がくっついて、それが地球のマントルの中に入り込んで行った。地球の中、400600Kmまで沈み込んだ。この事がカンブリア紀の大きな出来事で、生物に大きな変化をもたらした。

「海水準の低下」

地球表層の海水がプレ-トの沈み込みで、地下のマントルに移動して、海水準が数千万年という短期間に600m低下し、巨大陸地が出現した。地下のマントルは、海水の5倍の貯水能力が有るので、全部呑み込むと海水は無くなる程。

「栄養塩の陸地から海洋への供給→動植物の発生、進化」

海水準の低下により全地球の10%を占める大陸棚に、太陽光が届くようになる。すると河川によって運ばれる豊富な栄養塩によって動植物が大量発生し進化することになる。

「酸素濃度の上昇→オゾン層」 

光合成生物による酸素の生産によって、酸素濃度は上昇し、それは対流圏・成層圏のオゾン層の成立となる。

此のオゾン層は、巨大な壁となって生物を太陽風・宇宙線・紫外線から生物を守ることになる。

「生物の誕生」

以上が、海水の移動が切っ掛けになって、大量の生物が誕生するスト-り-である。こうして生物の黄金時代が始まる。

最初の動物は海綿で、大陸の縁で見つかる。ここは陸が運ぶ栄養塩(PK・・)が多く、魚もここにしがみついている。

大海洋はむしろ海の砂漠であり、陸に近い所には河川が運ぶ栄養分がある。カンブリア紀に現在の地球生物の殆どが生まれた。

 

「まとめ」

1、カンブリア紀の爆発的進化によって現代型生物のル-ツが誕生した。

2、その理由は広大な陸地が出現したことで、その結果河が運ぶ大量の栄養源の供給、酸素濃度が

  増加して生物の黄金時代が始まった。

3、カンブリア紀の生物の爆発的進化が三つのシステム変動が重なったことが原因である。

 ・スタ-バ-スト

 ・地球の磁場が弱くなった

 ・海水準の低下

このことによって、システム変動が起こって、それに生物界が反応した。それが海綿動物誕生に始まる35門の生物の登場である。

  

「コメント」

今回の筋道は分かった。それには、テキストの購入とそれを事前事後に読んだことによる。それでも言っている事、書いてあることの半分は分からない。大筋だけ何とか押さえるのみ。