科学と人間①植物の不思議なパワ- 甲南大学教授 田中修
150424④植物と人間と同じ悩みとは→ 活性酸素
人間と植物の同じ悩みとは何か。生物の起源は全て海の中であるが、陸上に出て来てから、太陽光の紫外線に悩まされることになる。人間は紫外線が有害であることは知っている。シミ、ソバカス、皺、白内障、皮膚がんなどの原因とされる。何故有害なのか→
紫外線に当たると活性酸素が発生するからである。人間の病気の90%はこれが原因と言われる。成人病・ガン・老化の引き金は活性酸素である。又人間は、呼吸によって大量の活性酸素を発生させる宿命がある。
「活性酸素の恐ろしさの例」
・除草剤「パラコ-ト」
この中にはス-パ-オキシドという活性酸素を発生させる仕組みがあり、植物は数日で枯れる。
・消毒薬「オキシド-ル」
過酸化水素水。活性酸素3%溶液、菌を殺す。
「抗酸化物質」
紫外線の中で生きている植物は、体の中に活性酸素を辞去する物質を持っていなければ生存できない。この物質が抗酸化物質と言うもの。人間は植物と違って、この抗酸化物質を体内で作り出すことが出来ないので、植物を摂取して補っている。
近年は広告でよく見られるように、食品に取り入れられている。代表的なものを挙げると
・ビタミンC イチゴ、レモン、柿、キ-ウィ、アセロライチゴの数十倍)、カムカム(アセロラの2倍)
このイメ-ジカラ-はレモンの黄色から今は赤
・ビタミンE 若返りのビタミンと言われる ア-モンド、落花生、カボチャ、大根の葉
・アントシアニン 赤・青・紫などを呈する花・葉・果実などの細胞液にある色素。
・カロテノイド 動植物界に文武する色素の総称。人参、トマト、柑橘類に見られるように黄・橙・赤のものが多いが、紫もある。
(カロチノイド) 紫外線による生体反応を防止する。
(抗酸化物質を植物が作り出すメカニズム)
・植物は綺麗で鮮やかな色をしている理由
虫、鳥を誘い受精、繁殖協力してもらう
色の元は、全て抗酸化物質で出来ている。これで植物本体、子孫の健全さを保っている。特に受精した実は固く守られている。
・強い紫外線を受けるほど、植物の色は濃く、鮮やかになっていく→熱帯植物、高山植物
とくに果実の色がきれいで鮮明なのは
・虫、鳥に食べごろを知らせる
・抗酸化物質を強め、種子を保護している。
4、植物の冬芽は特に大切なので、アントシアニンを強め赤色となっている。
「コメント」
こういうことを若い時から知っていれば、皺・しみもこれほどではなく、白内障には罹らず、もっと若々しくいられたものを。
口惜しい限り。遅ればせながら、アセロラを飲もう、ブル-べり-を沢山食べよう。菜園では、トマト、ピーマン、ししとう、ナスを沢山作って
毎食食べよう。そして、一番いいのは、人を食う事らしい。